①症状

 右心不全症状を呈していれば見逃されることは少ないが,その場合は専門施設での診療が望ましい.症状としては,息切れ,動悸といった非特異的症状しかなく,自覚症状がないことも多い.したがって,成人期には,前述した合併症による症状悪化や検査中に偶発的に見つかることも多い.

②身体所見


 聴診所見では左右短絡が中等症以上でⅡ音の固定性分裂を聴取し,相対的三尖弁狭窄による拡張期ランブルを胸骨左縁下部で聴取することもある.以下のような心電図/胸部X線写真から心房中隔欠損を鑑別に入れた心エコー法を行うことが軽症のASD患者診断の基本となる.
2 臨床所見
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成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)