心外導管狭窄は,術後経過期間が長く,狭窄部位に石灰化が見られることが多いため,カテーテルインターベンションは無効で,再手術が必要となる症例が多い.再手術は新しい導管を使用するか,導管装着後に形成された導管外の皮膜を利用するDanielson法がある1029).
再手術の適応
(1)右室−肺動脈の収縮期圧較差が50mmHg以上,
(2) 肺動脈弁閉鎖不全による右室機能不全,進行性運動耐容能低下
(3)中等度以上の三尖弁閉鎖不全
肺高血圧合併例では再手術の際に肺動脈弁閉鎖不全の発生に留意することが必要である.
カテーテル治療には経皮的血管拡張術に加えて,ステント留置,さらに弁付きステント留置(我が国未認可)も用いられ,その術後中期成績が報告されている.これらの処置は,外科手術治療の間隔を延長させることが期待され,より早期からの治療介入の可能性が示唆されている1030),1031).ただし,適応評価および治療の際は,これらの処置に経験のある心臓血管外科医と循環器内科医が行うことが望ましい.
6 再手術
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)