一般人口頻度(P)%
期待値P
小児循環器学会疫学委員会(2003年)経験的再発率%
米国Noraら(1980年)経験的再発率%
心室中隔欠損0.25 5 4.1 4.2
Fallot四徴0.13 3.6 4.1 3.0
心房中隔欠損0.1 3.2 2.8 2.9
完全大血管転位0.05 2.2 2.1 1.7
肺動脈狭窄0.04 2.0 3.3 2.7
動脈管開存0.03 1.7 5.4 3.5
心内膜床欠損0.02 1.4 1.6 2.6
次へ
2 先天性心疾患の同胞発生の頻度
 多因子遺伝の場合,1度近親内の再発期待値は一般人口頻度のルートに近似する.実際の再発率は経験値によっており,第1子が先天性心疾患の場
合,次子の経験的再発率はおよそ2~5%である507),509)(表46).このことは,先天性心疾患の児が1人生まれた家系の,次の児に何らかの先天性心
疾患が発症する頻度が,一般における発症頻度(約1%)の2~ 5倍に上昇することを意味する.同胞内に2人先天性心疾患児がいる場合7~ 10%に,3
人いる場合には50%以上に上がるとされる.疾患の一致率は60%程度で,必ずしも家族内で同じ疾患を再発するとは限らない.動脈管開存,肺動脈狭
窄,心房・心室中隔欠損では,比較的高い確率で同一の疾患を発症するのに対し,Fallot四徴の家族例では一致率が低い.
 
表46 先天性心疾患の同胞再発率
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)