心臓移植の移植術後生存率は,国際心・肺移植学会の統計594)によると,成人で,1 年約80%,5年70%である.死因は移植後の時期によって異なり,移植後1年以内は拒絶反応や感染症が死因の主因であるのに対し,その後,リンパ腫を含む悪性腫瘍,移植心冠動脈病変(CAV; Cardiac Allograft Vasculopathy)(いわゆる慢性拒絶反応)の割合が増える.移植後の生存曲線で注目すべき点は,移植後1ないし2年以降は右下がりの直線で3 ~ 4%の割合である594),595).この主原因が,悪性腫瘍と移植心冠動脈病変である.
4 心臓移植の臨床成績
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)