軽度拒絶反応中等度拒絶反応高度拒絶反応
血行動態安定血行動態安定血行動態安定
ありなし
悪化
CYA,TAC,MMFの
至適量維持
必要ならば
経口ステロイドパルスCYA,TAC,MMFの
至適量維持
静注ステロイドパルス
CYA,TAC,MMFの
至適量維持
静注ステロイドパルス
ATG
再移植を考慮
静注ステロイドパルス継続
ATG
再移植
CYA,TAC,MMFの
至適量維持
静注ステロイドパルス
ATG
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7 拒絶反応に対する治療法
 拒絶反応は,三薬併用療法を遵守し術後管理を厳格に行えば,頻回に生じるものではない.40%の患者が移植後1か月以内に拒絶反応を1回以上,60%
が半年以内に経験する599)が,その後,発生頻度は減少し,心筋生検施行頻度も減少する.

 術後1年以内の中等度ないし重症度の拒絶反応ならば,メチルプレドニゾロンを用いたステロイドパルス療法,さらには抗胸腺細胞グロブリン等を主体とする
治療が行われる.しかし数年を経過して出現したものに対しては,経口ステロイドやカルシニューリン阻害薬(シクロスポリンまたはタクロリムス)の一時的増
量で十分コントロールされることが多い.また,軽度ないし中等度ではあっても持続,反復する場合は,シクロスポリンからタクロリムスへの変更,ステロイド
の長期漸減および少量持続療法もとられる598)(図1)
図1 拒絶反応に対する治療法方針
 
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)