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①胸部X 線

 上行大動脈の拡大のため,右Ⅰ弓が突出する.

②心電図

 左室肥大,重症例では胸部誘導でST-T変化(strain pattern)の所見を呈する.

③心エコー法

 大動脈弁の形態を観察するために最も有用な検査である.二尖弁の診断,rapheの有無,弁組織の肥厚,硬化,石灰化病変の程度,弁口面積,左室壁厚,左室機能,左室−大動脈圧格差等により病態の把握,重症度の判定が可能となる170),719)

④ CT・MRI

 大動脈基部拡大の有無や上行大動脈径等,大動脈形態を詳細に評価することができ,上行大動脈人工血管置換術同時施行の要否を判断する際に有用である720)

⑤心臓カテーテル検査

 狭窄部での圧較差を測定し,重症度を判定する.血管造影検査により大動脈形態を評価する.合併心疾患の診断と重症度を評価し,治療方針を決定する.早発性冠状動脈疾患のリスクがあるため,40歳以上の症例に対しては,冠状動脈造影も行うことが望ましい720)
3 検査所見
 
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)