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 無投薬の場合も,1年に1回程度の経過観察が推奨される.

 Marfan症候群では,大動脈の拡張予防に,β遮断薬が使用され,一定の拡張抑止効果があるとされている817),818).先天性心疾患も,Marfan症候群と同様の大動脈壁異常を認めるため,β遮断薬が予防に有効と推測されるが,その有効性は明らかではない.また,TGF(transformikng growth factor)- βの拮抗薬であるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB; ロサルタン)が,動物実験でMarfan症候群の大動脈拡張病変の修復効果を認めると報告819),820)された.このため,現在行われているベータ遮断薬アテノロールとの大規模比較試験821)で有効性が認められれば,ARBが今後使用される可能性がある.
5 治療・管理
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)