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 運動許容判定のため,心機能評価,安静時および運動負荷時心電図,ホルター心電図による不整脈の検討を行う.症状の有無,運動時の失神の既
往,手術前の心機能や心肥大の程度,不整脈の有無,手術時期と回数,修復方法(心室切開の有無や用いた材料),術後の心不全や不整脈の既往,
術後経過年数等の病歴を調べる.運動負荷試験は,ACC/AHAの運動負荷試験ガイドライン等930),931),「心疾患患者の学校,職域,スポーツにおける
運動許容条件に関するガイドライン」867),を参照.

 心機能の傷害因子の評価と運動耐容能検査の結果から多角的に判断して,スポーツの許可と指導を行う.運動許容条件の決定には,患者本人だけ
ではなく,家族,学校関係者,同好会・クラブの友人・コーチも加え,患者が行う意義と必要性,運動に伴う危険性について検討する.また,体調管理や
運動環境,ウォームアップやクールダウン等の指導も徹底する.継続的なスポーツを希望する場合には,経年的評価が必要である.就学・就業施行時
の体調,環境,ストレスも考慮した評価が必要である.
7 運動制限,スポーツ,社会復帰: 就学・就業の許可・指導
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)