受診時は,不整脈,心機能の検査を行う.心肺機能試験は,可能なら行う4).
洞結節機能不全にはペースメーカ植込術を行う.20%以上の患者で行われており,その頻度は術後年数が長くなるにつれて高い67).
特に心房粗動は右室機能障害を悪化させるため,洞調律の回復を図る.しかし,抗不整脈薬による治療は心ブロックを誘発させるため慎重に行う.
心不全の薬剤治療の効果は,検討患者数が少なく未だ確立していない.ロサルタンを21人の心房位血流転換術後に服用させた研究では,右室機能
の改善はみられていない357).エナラプリルも同様に有意な効果はみられていない956).さらに,β遮断薬は洞結節機能不全のある患者では完全房室ブ
ロックを誘発させる可能性がある.しかし,ACE阻害薬は副作用が少ないため,ACE阻害薬かARBが使用されていることが多い.ジゴキシンの有用性
を示す客観的証拠はない957).
カテーテル治療は,重要な治療手段である.特に,バッフル漏れ(Level B),上大静脈/下大静脈狭窄に対するステント留置(Level B),肺静脈還流
ルート閉塞に対するステント留置(Level B)が施行される4).