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①発生頻度と発生機序

 心筋虚血は術後の8%にみられ,術後早期の手術死亡や遠隔期心筋虚血や硬塞の原因となる.冠動脈走行様式としては壁内走行冠動脈や単冠動脈
のイベント発生率が高い.心筋虚血の発生機序は,術後早期は冠動脈移植術の技術的な要因が大きいが,遠隔期の冠動脈イベントの発生機序は十分
に解明されていない1011).冠動脈病変は冠動脈主幹部の求心性内膜肥厚を伴う線維性内膜肥厚であり,末梢側狭窄はまれである.

②検査

 胸痛等の臨床症状や負荷心電図,心エコー法等の非侵襲的検査で心筋虚血の徴候があるものは厳重な結果観察と選択的冠動脈造影が必須である.
非侵襲的検査の感度は低いため,徴候がないものでも動脈位血流転換術後5年,10年,15年の冠動脈造影検査がすすめられる4)

③再手術の適応と術式,予後

 心筋虚血症状を伴うもの,あるいは冠動脈造影検査で有意狭窄を認めるものでは再インターベンションの適応がある.冠動脈血行再建法としては経皮
的冠動脈インターベンションや冠動脈バイパス手術が行われる.冠動脈開口部に限定した狭窄例ではパッチによる冠動脈形成術の適応となる1012)−
1014).術後の冠動脈血行再建術の長期予後は不明である.
3 心筋虚血の管理
 
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)