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 欧米の,心外導管術後遠隔期の生存率は,10 年で76 ~ 92%,15 年で70 ~ 82%,20 年で58 ~ 59%である1016),1017),1019).我が国における多施設共同研究では修正大血管転位を除外しているが,20年で88%と良好である582).死亡原因は,(1)心不全,(2)再手術,(3)突然死,(4)不整脈である582),1016),1018).死亡の危険因子は(1)男性,(2)手術時高年齢,(3)原疾患の種類(総動脈幹症,完全大血管転位,修正大血管転位,単心室で死亡率が高い),(4)術直後の心拡大,(5)右室圧上昇,(6)肺高血圧,(7)NYHA機能分類Ⅱ 度以上, と報告されている582),1016),1019).多種類の不整脈がみられ,上室性不整脈の危険因子は(1)男性,(2)修復術前の短絡術の不要症例,(3)手術時高年齢,(4)術後観察期間にかかわらず高年齢症例,である.心室頻拍ないし突然死の危険因子は術後高度右室圧である582)
4 予後
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)