男性患者の場合,家庭の独立を保つ責任感を感じ,心疾患が重篤であればあるほど経済的バックグラウンドの弱さが結婚を含む社会的自立に大きな障害となる.男性は一般に比べ既婚率は低く,女性は既婚率が高い3).女性は,妊娠や出産に関心が高いが,遺伝に関する不安は,男女共通の悩みとされる528),557).多くの先天性心疾患患者は,性生活,結婚生活が可能である557)−559).心理的な面では,自己を過小評価する傾向,安全な生活を求めること,自分の病気を知られると嫌われるかもしれないと考えること,性生活により心臓の状態が悪化すると考えがちなことから異性と親しくなれない場合も多い520),559)−561).男女とも,配偶者より早く死ぬという不安を持つ520),559)−561).離婚率が高いとの報告550)があるが,否定的な報告もある3),540).
4 結婚,妊娠
12),556)
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Management of Congenital Heart Diseases in Adults(JCS 2011)